夫婦連名で遺言できる?

家族愛の伝道師(行政書士 伊藤芳典)

2010年04月24日 12:30

前回に引き続き、今回もクイズ形式でスタートしてみましょう。


夫婦で同一の書面に遺言をすることが、

1.できる
2.公正証書遺言ならできる
3.できない

(正解は、記事の最後にあります)


「うちの夫婦は、非常に仲がよく遺言も同一証書で行いたい」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、遺言は、法律に定められた一定の方式にしたがってする必要があります。自筆証書遺言で

あっても、公正証書遺言であっても法律で定められた方式があります。


もし、夫婦二人で遺言をした場合どうなるでしょうか?

遺言は単独行為であり、自身の自由な意思で行われるものです。どちらか一方が、その内容を

変更したくてもできなくなるかもしれません。これでは、不都合が生じてしまいます。


以前、この内容を少し紹介したことがあるので、わかる方もいることでしょう。



それでは、正解の発表です。

答え: 3.できない

民法975条には、「遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができない。」とあります。

はっきりと共同遺言が禁止されているのです。もしも、同一の証書に二人の遺言が記載されて

いると内容が正しくても遺言自体が無効となってしまいます。

仲のよい夫婦であっても、遺言は一人ずつしましょう^^

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