無効な自筆証書遺言を有効にしたい場合

家族愛の伝道師(行政書士 伊藤芳典)

2010年08月18日 11:30

自筆証書遺言では、ポイントとして次の4点があげられます。

・自書すること
・日付が記載されていること
・署名がされていること
・押印されていること
この内容を取り上げた以前の記事はこちら


自筆証書遺言は、この中のどれかが欠けると法律的に無効となってしまいます。
無効の場合、相続財産は共有となってしまいますが、遺言書と同じ分割の
方法で相続できる場合があります。

それは、”死因贈与契約”というものです。

お互いに話し合ってから相続財産の分割方法を指定している場合、
この死因贈与契約が成立する可能性があります。
ただし、それには条件があります。

・被相続人が「この財産を贈与しますよ。」という申込みの意思表示があること
・相続人が「その財産を贈与されることに承諾します。」という承諾の意思表示があること
・なにより死後に財産を贈与するという死因贈与であること

この条件を証明することで、死因贈与契約と認められ無効な遺言書と同じ割合で
財産を分割することができます。

民法上の契約では、「あげますよ」の意思表示(申込み)と「もらいますよ」の意思表示
(承諾)の合致があって初めて契約が成立します。この場合には、口頭であったとしても
証明できれば有効な契約となります。


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